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あなたとなっちゃんがうまれたのは
さらさらと雪降る日の午後のこと でもね でもね 今日がもうひとつの誕生日 母さんのおなかで「もういいよお」って ふたりで言うはずだった日なの おひさまの光 きんぽうげ れんげ草 山を淡く彩る新緑 青々とした麦畑 たんぽぽの綿毛 けやきの並木 海の青 風もなんて気持ちのいい日でしょう あなたはいつものように 天女の羽衣みたいな ぶかぶかの産着にくるまれて 元気いっぱいにわんわん泣いて おっぱい飲んで 知ってるのかな 知らないふりしてるのかな うふふ かわいい寝顔
母さんの大好きな絵本『ルピナスさん』 「世の中をもっとうつくしくする」ために とても素敵なことをしたミス・ランフィアスの物語 いつかあなたに贈りたいな もうひとつのお誕生日は お花がいっぱいで清々しくて春まっさかり 世界はすでにこんなにも美しいのだけれど 私にもあなたにも なにか もうひとつ できることがあるとしたら なんだか素敵でしょ …ほんとはね 生きてくれているだけで あなたは世の中を美しくしていると 母さんは思うの そのことは これからもきっと 忘れたくはないけれど これから先 あなたにたくさんのことを望んだり がっかりしそうになることが あるかもしれない あなたが遠い未来に 自分の進む道について悩んだとき 生きているだけで充分なんて 思えないかもしれない そんなときには この絵本を思い出したいの あなたは 産まれてきてくれただけで こんなにも素晴らしいんだって ほのちゃん 雪の日にうまれた春の娘 もうひとつのお誕生日おめでとう 病院を出てからもずっとずっと いっぱいなぜてあげるよ だっこしてあげるよ なっちゃんも 空から手をのばして いっぱいなぜてくれてるよ 大好き だあいすき |
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